労務監査により貴社の労務の現状を可視化し、改善案策定し、実行サポートをいたします。
詳細はこちら働き方改革とは
「働き方改革」とは、日本の労働生産性の低さや労働力不足を背景に、一億総活躍社会のスローガンの下、働く方々が、個々の事情に応じた多様で柔軟な働き方を、自分で「選択」できるようにするための改革です。働き方改革には3本の柱があり、①長時間労働の是正、②正規、非正規の不合理な処遇差の解消、③多様な働き方の実現です。
働き方改革関連法とは
働き方改革実現のため、2019年から働き方改革関連法(関連する8本の労働法の改正を行うための法律の通称)が施行されております。働き方改革関連法は、戦後の労働基準法制定以来70年ぶりの大改革と言われるほどの大規模な法改正となっており、ポイントは下記3つです。
①時間外労働の上限規制【施行:2019年(中小企業2020年)4月1日~】
時間外労働の上限について、月45時間、年360時間を原則とし、臨時的な特別な事情がある場合でも年720時間、単月100時間未満(休日労働含む)、複数月平均80時間(休日労働含む)を限度に設定する必要があります。
②年次有給休暇年5日間の取得義務【施行:2019年4月1日~】
使用者は、10日以上の年次有給休暇が付与される全ての労働者に対し、毎年5日、時季を指定して有給休暇を与える必要があります。
③同一労働同一賃金【施行:2020年(中小企業2021年)4月1日~】
雇用形態に関係なく、同一の仕事をしているのであれば同一の賃金の支払いを義務づけると同時に、待遇差がある場合はその内容や理由について説明することが義務化されました。
働き方改革関連法対応のための具体的施策
①時間外労働の上限規制に対応するための施策
時間外労働の前に、労働時間の記録をできていない場合は、労働時間の管理から始めなければなりません。働き方改革関連法施行後は、労働時間の把握が義務となる対象者から除外されていた管理監督者も労働時間把握の対象としています。厚生労働省の「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン」では、労働時間の把握の方法として、「使用者が、自ら現認することにより確認し、適正に記録する方法」と「タイムカード、ICカード、パソコンの使用時間の記録等の客観的な記録を基礎として確認し、適正に記録する方法」を認めています。最近は、クラウド勤怠管理システムを用いている企業が多いです。
②年次有給休暇年5日間の取得義務に対応するための施策
働き方改革関連法施行に伴い、使用者は「年次有給休暇管理簿」を作成して保存することが義務付けられました。年次有給休暇管理簿は、労働者ごとに年次有給休暇の
・時季(年次有給休暇を取得した日付)
・日数(年次有給休暇を取得した日数)
・基準日(労働者に年次有給休暇を取得する権利が生じた日)
を管理するための書類です。「年次有給休暇管理簿」の留意点は下記3つです。
・労働者が年次有給休暇を取得した具体的な日付を記載すること
・基準日からの1年間に労働者が取得した年次有給休暇のすべての日数を記載すること
・労働者に年次有給休暇を取得する権利が与えられた日を記載すること
年次有給休暇管理簿は、当該年次有給休暇を与えた期間(基準日から1年間)とその後3年間の保存が義務付けられているので、使用者は注意しましょう。年次有給休暇管理簿は、エクセルで作成・管理することもできますが、クラウド勤怠管理システムで労働時間管理をしている場合は、有給管理機能として実装されている場合が多いです。
③同一労働同一賃金に対応するための施策
同一労働同一賃金に対応するためには、まず現状の従業員の雇用形態を確認する必要があります。短時間労働者や有期雇用労働者がいない場合、対応の必要はございません。短時間労働や有期雇用労働者を雇用している場合は、賃金(賞与・手当を含む)や福利厚生などのの待遇に違いがあるかを確認しましょう。待遇に違いがある場合は、働き方や役割の違いに応じたものと説明できるかがポイントとなります。「不合理ではない」と説明できる状態にしていなければなりません。「不合理ではない」と言い難い場合は、改善に向けて検討を進めましょう。改善策は企業ごとに異なってきますので、迷われている場合は、当事務所にご相談ください。
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